「マーケティングファネル」という考え方は、ご存知でしょうか?
「マーケティングファネル」は、顧客の接点から獲得までの流れをファネル(漏斗・じょうご)に見立てて、何人にリーチでき、その次に、何人がWebサイトに来て、フォームへいき、コンバージョンまで至ったかというような考え方です。
これが、現代では「変わっているかも」というお話です。
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「マーケティングファネル」は、顧客の接点から獲得までの流れをファネル(漏斗・じょうご)に見立てて、何人にリーチでき、その次に、何人がWebサイトに来て、フォームへいき、コンバージョンまで至ったかというような考え方です。
これが、現代では「変わっているかも」というお話です。
続きを読む「マーケティングは経営そのものである。」のにも関わらず、日本ではCMO(Chief Marketing Officer 、マーケティング最高責任者)が不在であると言われる事が多いです。
また、戦後以降の日本を復興させた企業のほとんどは、プロダクトアウトの世界で生きてきました。
「マーケティングは経営そのものである。」と聞くと違和感を感じるでしょうか?
おそらく一般的には、 経営はもっと広い概念であり、マーケティングはその1つの機能であるという考え方なのではないでしょうか。
しかし、私は敢えて「マーケティングは経営そのものである。」と主張させて頂いています。 どういうことか、以下に説明しましょう。
続きを読むさて、本日はCTA(Call to Action)のコピーについての重要度を考えてみましょう。CTAコピーって一見すると、なんでも良い気もしてしまいませんか?
コピーやサブコピーで伝えたいことは伝えているし、と。
でも、これはとても重要なんです。バナーをクリックをした瞬間、数秒後に、「あなたはなぜクリックしたのですか?」と聞くと「なんとなく」という回答は多いのではないでしょうか。
つまり、直感でクリックしていることが多いのです。そして、アクションをする時に目にするのがボタンのCTAです。
ここが想定外のものになっていると、ユーザーの行動を阻害させてしまうかもしれないのです。
例えば、今はあまり見かけませんが、Webで「送信する」というボタンを、お問い合わせページなどに用意しているページがあります。このページが例えば、ECサイトだった時、Webに慣れていないユーザーはどう考えるでしょうか?
『「送信する」とどうなるんだろう?』と思わせてしまわないでしょうか?
この瞬間に、ハッと夢から覚めるというか、モチベーションが下がることがあるのです。少し事例をみてみましょう。
■事例
p61 Reconsider “Submit” : The clinton Bush Haiti Fundより。
■検証内容
ボタンに表記の「Sumbit」(送信する)を「Support Haiti」(ハイチを支援する」に変更
■仮説
ボタンに行動を臭わせるフレーズを入れることで、ユーザーに明確なクリックをする理由を与える。
■結果
“結果は、すごいものだった。”
“ページ閲覧あたり数ドルのオーダーのところ、この小さな変更によって、100万ドルの増加をもたらした。”
■考察
効果の部分が少しフワッとしていますが、効果が上がるということについては違和感がない方が多いのではないでしょうか。
つまり、ユーザーにあなたがする(次の)行為はこうですよ。ということを明示的に与えるのがCTAなのです。
最適なCTAというのは1つではありません。それは、ターゲットとそのターゲットの目的意識(情報収集段階なのか、意思決定段階なのか)によっても、商材によっても変わるからです。
例えば、あまり知名度が高くない商品を、ターゲットを絞らずに配信する(ブロード配信)場合、バナー広告で「購入する」というCTAだとハードルが上がりすぎるでしょう。「商品を見る」「メリットを確認」「詳しく見る」「情報を見る」など少し段差を少なくしたCTA表現を試してみるべきでしょう。
上記事例は、それをもっと具体的な表現をCTAにしたイメージでかなり良いです。
クリエイティブが出来上がったら、以下を自問してみましょう。
・そのCTA(Call To Action)は、50%:50%で消費を迷っている人をひと押しできるメッセージになっていますか?
・モチベーションとの”段差”が高すぎませんか?(ユーザーの目線の一歩または半歩先に設定されていますか?)
クリエイティブの改善テストを行う際に、「何をテストしようか」、と悩んでしまうことはありませんか?
こんな変更で差が出るかわからない、不安という思いから、これも直そう、あれも直そう、と。
もちろん、その気持ちは大いにわかります。
しかし、変更を多くしていくとどこが起因となったかわからなくなるのも事実です。
「ABテストって何のためにやるのでしょうか?」
こんなことを聞くと「バカにしているのか」、と怒られてしまいそうですが、ぜひ考えてみて頂きたいのです。以下のA、Bではどちらでしょうか?
A) 今のクリエイティブの成果を1.5倍、2倍にするため
B) これからクリエイティブを改善し続けるため
多くの方が、A) を考えてしまっているのではないでしょうか?
もちろん、これが正しくないと否定するつもりはありません。
しかし、Bの選択肢を示された時、「まぁ、それができればいいんだけど」と思われませんでしたか?
つまり、A = セールス的な考え方、B = マーケティング的な考え方だと申し上げたいのです。
Webマーケティングでは、状況は変わり続けます。ユーザーが飽きることもあります。
成果も一過性のものから再現性のあるもの、特定の媒体でしか出ない成果など、一言に「成果」と言っても、「条件付き成果」があることは否めません。
その中で、Aを繰り返していると、ABテストは博打のような感覚になってくるかもしれません。繰り返しますが、この手法自体は否定しません。
ただ、「売れた」→「やったー!」ではなく
「売れた」→「なぜ?」「理由は?」「発動している可能性がある条件はある?」と掘り下げていくことで、再現性を産むことができる可能性があります。
つまり、マーケティング的な考えに近づけ、売れ続けるナレッジに近づくことができるのです。
しかし、とはいえ、1% 、2%の改善を続けても不毛だ、と思われる方も多いかもしれません。しかし、小さな変更でも意外な成果を産むことは往往にしてあります。
次の、「ザ・マイクロコピー」という書籍は、その示唆を示してくれる素晴らしい本です。ぜひ、ご興味があればご一読されてください。
「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー 」(日本語) 単行本 – 2017/8/25 山本 琢磨 (著), 仲野 佑希 (監修), 清水 令子 (その他)
*クリエイティブというと多くの方が、より目立ちやすいキャッチコピーや画像などに目が行きやすいですが、本当にユーザーの心理に寄り添い、ちょっとしたことで大きな改善がみられることを学べる書籍で、オススメです。
p25 “マイクロコピーがもたらす効果”より1つ引用させていただきます。
■検証内容
・治療院向けのウェブサービスを提供している会社での実験。
「資料を無料でダウンロード」 -> 「無料で資料をダウンロード」に変更
「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー 」
■結果
資料請求ページの成約率が1.5倍に改善。
素晴らしい改善率ですね。たった2文字の変更で、1.5倍の成約率になったのです。
■考察
いかがでしょう。この2文字の変更をする手間を惜しんでしまいそうではありませんか?
このケースは、何よりも言葉の重さ、ワード選定の重要さを物語っている事例ですね。訴求の細部にこだわるというのは、こういうことかと学ばせてくれます。
マイクロコピーに意識を向けることは、Webサイトの細部に魂を宿すことになるかもしれません。
誰(Who)に、何(What)を、どのように(How)伝えるか、そしてその背後にある、なぜ(Why)それを伝えるのか、この辺りを徹底的に考えることで成果はまだまだ改善できる可能性があると言って良いのではないでしょうか。
なぜでしょうか。
その1つの理由としては、ユーザーは、ゼロコンマ何秒で判断しているということがあげられます。読んでいない、ただ見ているのです。
これは、初めていく街中で目を細めて視界をぼやけさせ、判断できるものを探してみると、コンビニやチェーン店の看板は、文字を読んでいないのに、その店がわかりますよね!?
これは、右脳的にビジュアルを見ることで、左脳的に論理的に解釈するよりも圧倒的にスピードが早く少ない情報で判断ができているということです。
つまり、上の事例はこの原理が少なからず働いていると思われます。
最初に飛び込んでくる文字が「無料」か「資料」か、その瞬間にユーザーの反応が決まっているということです。
こう考えると、色んなことが浮かんできませんか?「タダ!」ならどうか「今だけ無料!」は?など。
1つのワードだけでこんな成果が変わることがあるのです。
いきなりホームランを狙うのではなく、小さなテストを繰り返していって、100本目でホームランを打つくらいの覚悟で取り組むと、その過程は学習の連続です。
何しろ、負けても学べるのですから。
このような発想で、ぜひマーケティング的な、売れ続けるノウハウを得ながら改善していく方法について考えてみるのはいかがでしょうか?
クリエイティブは、マーケティングにおける重要役割を担う(担っている)ことは疑いようがありません。 そして、この傾向は今後10年でより強まる、と考えています。その概念を一言で表すワードとして、弊社では「クリエイティブ・エクセレンス」というワードを意識しております。
(1) 「クリエイティブ・エクセレンス」とは
「クリエイティブ・エクセレンス」は造語です。現状、正式な用語として一般的に使われている用語ではないと認識しております。このワードはご想像いただいた方も多いかもしれませんが、「オペレーショナル・エクセレンス」という言葉からインスピレーションを受け使用しています。
「オペレーショナル・エクセレンス」
(Wikipediaより)
オペレーショナル・エクセレンスは、オペレーション力、すなわち現場力が卓越し、競争上の優位性にまで高められている状態のことを指し、企業の競争力の源泉の重要な要素となる。高効率、高生産性の実現の鍵となる要素であり、過去の景気後退期においても企業の力強い回復を支えてきたことが分かっている。
つまり、オペレーショナル・エクセレンスは図にまとめると以下の通りです。
では、「クリエイティブ・エクセレンス」は、というと、この「オペレーション力」を「クリエイティブ力」に置き換えたものと考えております。
この図の通り、企業においてクリエイティブ力が「競争上の優位性」になっている状態を「クリエイティブ・エクセレンス」と定義します。
(2) なぜ、「クリエイティブ・エクセレンス」が重要になると考えるのか
< クリエイティブ = 企業(商品・サービス)の顔 >
クリエイティブは企業にとって、最も購買者・消費者と接するコンタクト・フェイス(接点を持つ、企業の顔とも呼べる存在)と言えることは納得いただけるでしょうか?
商品のパッケージ、Webサイトのデザイン、広告など、マーケティングにおいて、企業のUSP(ユニーク・セリング・ポイント)を明確に表す存在が「クリエイティブ」なのです。
< ニーズやウォンツが多様化し、商品の機能差が極度に小さい消費社会 >
現代の日本社会は、モノが溢れ、情報が溢れ、人々のニーズやウォンツ(欲求)は多様化しています。一昔前は、10代の女性といったセグメントで一括りにできていたものが、現代ではどんどん難しくなっています。
売れる商品には、提供する企業も群がり、もはや消費者としてその違いがわからないようなわずかな違いによる商品が店頭に並んでいます。例えば、私はビールが好きで好んで缶ビールを買いますが、なぜかいつも、とあるブランドの商品を買います。しかし、誰かが違うブランドのビールを買ってくれた場合も、その消費している瞬間に、ベネフィットの差はもうゼロといっても過言ではありません。
その中で「共感」が消費者からの支持を得る1つの重要な手段であることは間違いありません。つまり、「機能」が全く同じである商品でも、売れる/売れないの差が出てしまうのです。
< インターネット広告の全盛期時代に >
電通「日本の広告費」の2019年版が発表されました。ついにインターネット広告費がテレビメディア広告費を抜きました。
なぜインターネット広告が伸びた理由などは、いろんな側面から推察できますが、今回はどのような対処が必要であるか、そこに迫る脅威について、少し考えてみたいと思います。
< インターネット広告の特性と考えるべき対応 >
まず、インターネット広告の特徴としては掲載面の多さです。あらゆるターゲット別、あらゆる種類のサイト(SNS、ニュースサイト、ブログなど)に掲載されますし、消費者と接する時間帯、地域、デバイスなどを考えると多種多様なコンタクト・フェイスを求められることになります。ここに最適なコストで、最適なクリエイティブをどう仕掛けられるか、ここの戦略性が求められます。
また、インターネット広告は24h365日出稿でき、ほぼリアルタイムで効果を把握することが可能です。しかし、上述の通り、多種多様なクリエイティブを管理し、戦略的に仕掛けができている企業はまだまだ少ないと思われます。
< 構造的に、企業サイドに重要なナレッジがたまらなくなる仕組み >
この状況から、日本での3大広告プラットフォームと言える、Google・Yahoo・Facebookでは機械学習を駆使して、クリエイティブの最適化配信が用意されています。
しかし、この状況は日本の企業にとってはかなり危険な情報です。機械学習による配信は学習データを返してくれません。これはどういうことを意味するでしょうか?
つまりは顧客にUSPを見せなければならない「企業・商品・サービスの顔」が、どのようにすれば良い顔になるか、何が悪化をさせるのか、どのターゲットに何が効くのか、そういった現代のマーケティング社会で重要なデータを、プラットフォーマーだけが握れる状態になってしまうのです。
< クリエイティブ・エクセレンスな企業が、飛び抜ける >
ここで、この状況に歯止めをかけ「クリエイティブ」を科学して卓越させ、「クリエイティブ・エクセレンス」を体現できる企業が競合企業を圧倒する可能性が出てくると言えるのです。
3年前に、シスコシステムズ社から、衝撃的な予測を出していました。
「3年で破壊が起こりトップ企業の4割は淘汰される」、シスコが大胆予測
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/news/17/060201573/
この予測からすると破壊が起こるのは今年であると読むこともできます。この割合・規模で起こるかどうか(起きているかどうか)はまだまだ不透明ですが(コロナウイルスという異なる脅威も出現していますし)、多くの企業がこれから岐路に立たされ、逆に言うとトップを取るチャンスを与えられることにな流のではないでしょうか。
< 貴社においての「クリエイティブ・エクセレンス」を考えてみませんか? >
「クリエイティブ・エクセレンス」という表現をすると、どこかインパクトが小さいように思われる方もいるかもしれません。しかし、クリエイティブは記載した通り「企業の顔」です。つまり、ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス、UX)を卓越するためのキードライバーになるのです。ユーザーにおもてなしをし、選択をしてもらうための全てのアウトプットは「クリエイティブ」として存在することになるのです。
もし、クリエイティブの定量データが溜められない、ナレッジが残らない仕組みである場合、この先、商品のデザイン・企画ですらプラットフォーマーが持つデータに勝てなくなるとしたら、相当な脅威と言えないでしょうか?
ぜひ、この機会に「クリエイティブ・エクセレンス」について、その必要性や自社としてどう組み立てていくのか、ナレッジはどう残していくのか、考えられてみてはいかがでしょうか。
弊社ではそのような新しい挑戦をされようとする企業様に向けて、微力ながらそのR&D(研究・開発)をお手伝いすることが可能と考えています。
ぜひ、少しでもご興味があれば、info@effort-science.co.jp までお問い合わせください。
本日は、広告クリエイティブ(テキストやバナーや動画)が果たしている役割について、考えてみます。
その前に、もっと大きな概念である「マーケティング」とは、というところから詰めていきたいと思います。クリエイティブの重要性を説明するために欠かせない理解ですので、少しお付き合いください。
続きを読む本日、以下のような記事が上がっていました。
「日本のネット上の売上が米中企業に大量流失している 衝撃データが初めて明らかに」
https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/duopoly-in-japan
右肩上がりで頼みの綱となるインターネット広告も、その50〜70%が海外に流れているという実態は衝撃的だ。
これは、日本のインターネット広告業界の現状を表す、非常に重要な指摘だと考えます。
しかし、売上以上に大事なことがあると思います。
それは、広告の配信過程のマーケティングナレッジが、日本国内に残っていないということです。
「広告は嫌われている」というのは、
広告業界にいる方にとって常識であり、悲しい事実だと思います。
続きを読むみなさん、広告のクリエイティブA/Bテストやってますか?
クリエイティブA/Bテストは、思ったほど簡単な取り組みではありません。
いざ、やろうとなっても、なかなかアイデアが出ないなんてこともあるでしょう。
それでも、ウンウンうなってひねり出してクリエイティブA/Bテストをする、その目的について、整理してみましょう。
クリエイティブA/Bテストは何のためにやるのでしょうか。クライアント満足や上司の命令だから、というのは当然なし、です。笑
以下のような目的に分けられるのではないかと思います。
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