1-3. マーケティングは「ファネル」から「マウンテン」へ!?

「マーケティングファネル」という考え方は、ご存知でしょうか?

「マーケティングファネル」は、顧客の接点から獲得までの流れをファネル(漏斗・じょうご)に見立てて、何人にリーチでき、その次に、何人がWebサイトに来て、フォームへいき、コンバージョンまで至ったかというような考え方です。

これが、現代では「変わっているかも」というお話です。

この図のように漏斗(じょうご)のような形をしているため、funnel(ファネル、ファンネル)という名前で呼ばれています。上記の引用図は一つの分解の方法であり、様々な解釈ができる、とてもわかりやすい考え方です。

私自身もよく提案資料などに利用させていただいております。

しかし、実際のWebマーケティング施策を行うにあたりましては、少しだけ違和感を感じていました。

その違和感というのは、、、「重力の向き」だったのです。

え?という感じかもしれません。

この点をご理解いただくと、少しWebマーケティングに対する意識が変わるかもしれませんので、ご説明させて頂きます。

マス広告が主流の時代、マーケティングはまさにファネルのような考え方だったかもしれません。いや、つい最近まで、その考え方に違和感はなかったかもしれません。

1000人にリーチしたら100人がWebサイトに来てくれて、100人来てくれたたら10人が買ってくれる、といったデータを元に、何人に接触するかというところがあったと思います。

つまり、重力は下向きに働いていて、欲しい人が1000人いたら、10人はいる、という発想だったかもしれません。つまり、まさにファネル(じょうご)のイメージで、上から水を流せば、一定量の水が出るという考え方に近かったかもしれません。

しかし、近年、以下のように感じます。

  • 競合が増えてきていて、ホームページがあっても来てくれない
  • 広告を出しただけでは、お客さんは来てくれない
  • 来てもすぐに帰ってしまう

こんな状況から、接客ツールなどが登場し、Webサイト内で次の行動に進めてもらえるよう、チャットなどで支援したり、工夫がなされています。

つまり、このイメージは、「待ちの姿勢」ではなく、押し上げているようなイメージ、「攻めの姿勢」に変わってきているのです。

この意味で、これからのWebマーケティングは、「重力が逆」だと考えなければならないと考えています。

つまり、ファネルの三角形が逆さまになり、山のような形になり、その山をユーザーに登ってもらうイメージ、つまり山登り型になっていると言って良いと思うのです。

これこそが、マーケットイン的な発想であり、運用型のマーケティングと言えるかもしれません。

お客様は、登る苦労をしてまで欲しいと思わなければ登ってくれないのです。「良い商品を見せたら来てくれる」という幻想は、もう捨てましょう。

戦後の、モノがない時代、サービスが充実していない時代は、消費者は大きなペイン(痛み)を抱えていました。そしてそのペインは大抵、多くの人に共通するものでした。大きなペインがあると、それを解決するソリューションになだれ込むように飛びついてくれます。だから、ファネルの発想でピッタリはまっていたのではないでしょうか。

ですが、今は市場は満たされています。ペインがないわけではないのですが、1つ1つがそれほど大きいペインではありません。「痛み」ではなく、「かゆみ」だったりします。「かゆい」くらいなら、我慢しようと思ったらできるのです。

ですが、「かゆみ」はたまに痛くなります。その消費者の生活の部分、部分で露呈する時、痛むのです。でも、消費者は大抵それを忘れてしまうのです。

だから、事業者サイドが消費者に接する時、そのかゆみが痛かったことを思い出してもらい、痛みが取れる素晴らしさを伝え、痛みがなくなる幸せの世界へ導いてあげなければなりません。

これは、すなわち、「マーケティングファネル」から「マーケティングマウンテン(山)」への変化であり、「登る理由」を伝えていく作業になります。

このマウンテン(山)を適切に登らせるポイントは以下のようなところでしょう。

  • 如何に登りやすい山を作るのか
  • 如何に登りたくなる山を作るのか
  • 如何に登る理由を、随所に提供するのか

このような考え方がとても重要になってくると考えています。

「登りやすさ」は商品やサービスの機能の質であり、開発部門、商品部の仕事かもしれません。

「登りたくなるか」は、広報、マーケティングや、カスタマーサクセス、企画部など様々な方法であげることが可能になるでしょう。

「登る理由」は、Web運用者、広告運用者の力が存分に発揮できるところになるでしょう。

やはり、このように、経営全体で、考えていかなければならない取り組みだと考えます。

いかがでしょうか。「マーケティングファネル」から「マーケティングマウンテン」へ、重力を逆にして、より時代にあったマーケティング展開をしてはいかがでしょうか?

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