[広告テスト作成のコツ!]Web広告の”引きの強さ”は単語で決まる!?

いざ、「広告テストを進めよう!」と思っても、どのように進めるべきか、どんなテストをするべきかを迷われる事が多いのではないでしょうか?本ブログ記事はそのような方への1つのヒントとしてお読みいただけますと幸いです。


(1) 広告文は読まれるのでしょうか?
冒頭から何を言い出すのか、と思われるでしょうか?でも、これは大事な議論です。


Web広告の広告テストを行っている方の中で多くの方がまるでキャッチコピーをテストしているかのような捉え方をされているケースが多いと感じます。


「キャッチコピーのように」という意味は、文章ワンセットで一つの表現として考え、訴求を考える時はセットごと入れ替えるべき、と考えられていることが多いと感じます。もちろん、こういうテストも重要でないとは言いません。


しかし、ここにこだわりすぎると、何の変化で成果が上がったかもわからないことが多いですし、費用対効果も合わないことになりかねません。アイデアにも苦しむでしょう。さらには、その一発のコピーセンスで勝敗が決まってしまい、徐々に改善という方法が取りづらくなってしまいます。


苦しんでいる方のために、言い切ってみましょう。
「Web広告の広告文は、キャッチコピーではありません」


私は、そう考えています。
もちろん、ターゲティングをあまりしない形式での広告のケースと検索結果に表示される広告のように細かくターゲティングをした場合の広告での考え方やアプローチはそれぞれ異なります。


ここでお話ししているのは主に後者の話です。検索結果では、当然多くのユーザーが頭の中で何かの情報を探しています。


では、広告の文章は読まれるのでしょうか?
この答えはほぼNoであり、稀にYesと言うのが正解ではないでしょうか。


どういうことでしょうか?
私はユーザーの”ある態度変容”の前後で、読むか読まないかが変わると考えているのです。


その”ある態度変容”とは「興味を持つこと」です。


興味を持つ前は、ユーザーは文章を読んでくれません。単語を拾い読みして、興味を持つものを無意識に飛ばし飛ばしで探すのです。(あくまでも私の考え方です。)


(2) 単語を拾い読みするユーザー
ここで、住友3Mが提供している、視線予測サービス(http://solutions.3m.com/wps/portal/3M/ja_JP/VAS_APAC/Home/WhatIsVAS/,Visual Attention Software)を使って取得したヒートマップを見てみましょう。
(資金の余裕のないスタートアップのため、無償枠で利用させていただきました・・・)

図1: 検索結果画面のヒートマップ



Googleにて「転職」で検索し表示された結果を使用しています。こちらは実際のアイトラッキングのデータではなくあくまでこのソフトウェアによる予測ですが、ユーザーの視点移動を学ぶ意味では十分でしょう。


広告の中の部分部分の単語が飛び飛びで黄色く表示されていることがわかります。
このようにユーザーは単語の拾い読みをしているのです。


そこに、欲しい情報にヒットするワードやフレーズがあるかないかが、「興味を持たせる」ためにとても重要なのです。
綺麗な文章を書いても、ほとんど読まれないのです。そこにどのような単語が含まれるか。それが鍵だと思うのです。


なぜなら、Web広告は無数の文字や画像などの情報の中に表示されます。テレビ広告のように画面いっぱいを占有できるわけでもないですし、電車内広告のように自社の広告が他の広告と明確な線引きがされている状態ではないのです。


いかに、興味を抱かせるワードを盛り込むか、これが重要なのではないでしょうか。


(3) 場所による視認率の違い

図2:興味領域(AreaOfInterest)

3M社のサービスはとても興味深い示唆を提供してくれます。この図2をみてください。


今回の結果では、どこかに集中して見られているというような結果ではありませんが、ヒントが見えてきそうです。
・パス(F)(緑の表示URLの末尾文字列)が視認率が高い
・説明文(G)の視認率がタイトル(A,B,C)と同等以上
・サイトリンク(H)は思ったより視認が低い


これらは、あくまで最初の3秒の視認の結果の予測のようですが、このようなヒントを伺うことができます。


つまり、どこかが目立って強いと言う予測は出ていませんので、最初の興味を引くフレーズは、タイトル1・タイトル2・説明文・パスのいずれかに含めると良いと言えます。(今回のサンプルの結果より)


(4) 興味をひくワードとは?
では、興味を引くワードとは何でしょうか?
この答えはやっていない人は誰もわかりません。A/Bテストをして、このワードを発掘していかなければならないのです。ターゲットやタイミングや商品によっても変わるでしょう。


ただ、これでは、いろんなワードをやみくもにテストをし続けるしかないのか、ということになってしまいますので、
どういうワードをテストすれば良いのかについて私自身の考え方を記載しておきます。


私は、ポイントは以下の2つだと思っています。
ユーザーが潜在的・顕在的に脳裏に描くワード
自社のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)を体現するまたは想起させるワード


このクロスするワードを発掘し、興味を持たせ、サイトに訪問する誘因を作ることが、Web広告の大きな役割であると考えています。
「ユーザーが潜在的・顕在的に脳裏に描くワード」とは、文字通りではありますが、微妙な差で大きく変わる事を考えておくべきでしょう。アルファベットなのかカタカナなのか、これだけでクリック率に大きな開きが出て、クリック単価が数%変わる事があるのです。
「スニーカー」、「シューズ」、「靴」どれが適切なのか、ターゲット顧客が求めている単語はどれなのでしょうか。この辺りをターゲットごとに検証していくととても面白い知見がためられますね。


次に「USPを体現するワード」と話しました。これはとても重要です。USPはしばしば「独自の売りの提案」と訳されます。サイトの独自性は?それを提案するとしたらどのような言葉を使いますか?


ご存知の通りWebでは情報が溢れています。ユーザーは、多くのケースでどこも似たり寄ったりで特徴がないように感じてしまっています。
当たり前の事を言いますが「なぜ、このサイトに訪れないといけないのか」これを印象付けなければなりません。これは本当に当たり前なのですが、本当に意識できてい流でしょうか?
「安いですよ」というのを全員が叫んでいる中で「安いです」といっても伝わりません。例えば「生産者直仕入れのため、激安!」とすると印象は変わるでしょう。ここでは生産者直仕入れというワード(フレーズ)がユーザーにヒットするかを検証対象になりますね。


もちろん嘘があってはいけません。景品表示法などの法令遵守はもちろんのことですし、嘘や誇張があった場合、却ってユーザーを怒らせてしまいます。確かにクリック率の上昇により数%以上のコスト削減が期待できますが、そもそもその先につながらなければ意味がありません。これも当たり前のことですが、CTRをあげようと躍起になると忘れがちですので、きちんと意識をするべきことの一つです。


つまり、事実の中から、ユーザーが求めている独自性を適切に発見していくことがA/Bテストの真の目的とも言えるでしょう。時には、意外なワードが見つかることもあるかもしれません。

どんなWebマーケティングの天才も、1回や2回で成功フレーズを獲得できることはないでしょう。空いた時間でやれるだけどんどんやっていきましょう。その結果、発見したフレーズによっては、Webサイトのコンテンツを改善するきっかけにもなるかもしれません。


広告のA/Bテストは、使いこなせればマーケティングの重要な道具になると考えております。


その道具、貴社では十分に使いこなせていますでしょうか?

この記事をシェアする

SNSでもご購読できます。